Q.夫が定年し、子供も独立していますので、いわゆる熟年離婚をしたいと思っています。ただ、私としては揉めたくないので、さっさと離婚協議書にサインしてもらって、難しい話は後にしたら良いと思っています。こういった対応をしても問題ないでしょうか?
A .法律的には問題ないですが、婚姻歴が長い場合、夫婦の共有財産があると思われます。大切な財産ですので、面倒に思わず、離婚前に配偶者とその分与方法について協議すべきです。
長年連れ添った配偶者がいる場合、家や預貯金など夫婦共有財産が一定程度、存在するのが一般的です。
この夫婦共有財産を分割することを「財産分与」といいます。
通常、離婚をする前に財産分与の協議をしますが、離婚後に協議をすることも可能です。
しかし、離婚後だと、財産分与の話し合いに応じてくれないこともあり、そういった場合は、調停または審判を申し立てる必要があります。
ところが、この調停や審判を申し立てるには、離婚届を提出してから5年以内に行う必要があります(民法768条2項但書)。
この期間を過ぎてしまうと調停等の申立自体ができなくなってしまいます。
なお、2026年4月1日より前に離婚した方には、改正前の「離婚の時から2年」という期限が適用されますので、より注意が必要です。
離婚後、配偶者の行方が分からなくなることや、亡くなってしまうことがあるので、ご負担に思う気持ちは分かりますが、可能な限り、財産分与の協議は離婚前に行うことをお勧めします。
