Q.私のクリニックの患者さんに背部痛があり、CT検査を施行したところ、異常所見は認めず、画像検査レポート(外部委託)でも指摘はなかったので経過をみていましたが、患者さんが自分で別の医療機関を受診され、精査の結果、癌と診断されました。
このCT画像を見直すと異常を疑う所見があったのですが、私も責任を負いますか?
A .画像所見の見落としについて、放射線診断専門医が異常を指摘していない所見であっても、担当医は、責任を負う場合があります。
期待される読影水準は、医師の専門領域などによって異なりますが、一般に、医師は、画像検査レポートだけでなく、画像検査結果自体を慎重に確認すべき義務があります。
本件では、画像から異常所見を指摘することの容易性、患者の主訴や診療経過等を総合的に勘案して、過失の有無が判断されると考えます。
東京地判令和4年12月23日
CT検査結果レポートで指摘されていなかった胸壁腫瘍が見逃され、その3か月後に死亡に至った事案で、主治医(消化器内科)として、CT検査を実施したのであるから、CT検査結果レポートのみならず、CT検査結果自体を慎重に確認して、胸壁腫瘍等を発見し、精査をすべき義務を負っていたと判示した事例
横浜地判令和5年6月8日
転移性脊椎腫瘍による脊髄圧迫から両下肢完全麻痺の後遺障害が残存した事案で、担当医(整形外科)は、MRI検査結果レポートを待つことなく、MRI検査当日に画像を確認し、骨転移の可能性を疑い、全身検索等の対応を取るべき義務を負っていたと判示した事例
