Q. 友人3人である飲食店を予約していたところ、そのうちの1人が仕事の都合で来られなくなり、予約日の1週間前にキャンセルの連絡をしました。後日、そのお店からキャンセル料として予約していたコース代金全額と同じ額を請求されました。聞くところによれば、そのお店のキャンセルポリシーによって決められているようです。このお金は支払う必要があるのでしょうか?
A . 消費者契約法により支払を拒否できる可能性が高いです。
飲食店の予約は、客を「消費者」、店を「事業者」とする消費者契約にあたり、消費者契約法が適用されます。
また、キャンセル料の支払を定めるキャンセルポリシーは、消費者契約法9条の「消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項」に該当し、同条により「事業者に生ずべき平均的な損害の額を超える」金額については無効とすると定められています。そして、「平均的な損害の額」は、「当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ」て計算することとされています。
すなわち、同程度のグレードのお店かつ同程度の値段のコースの予約を、予約日の1週間前にキャンセルすることにより、一般的に生じると考えられる損害の平均額を超える金額については支払う必要がない、ということになります。
飲食店の予約をキャンセルすると、見込まれていた売上がなくなること、用意していた食材が無駄になること、などが損害になると考えられます。しかし、今回は1週間前にキャンセルしているので、新たに予約が入って売上を補填できる可能性が高いこと、食材の仕入れまで時間があると思われるため食材が無駄になることはないと見込まれることから、お店に生じる損害はほとんどないと考えられます。
そのため、1週間前のキャンセル料として予約金全額を定めるキャンセルポリシーは、消費者契約法9条に違反し、無効となる可能性が高いと考えられます。
ただ、予約内容やキャンセル時期、お店の種類など事案ごとにより判断が左右されるため、必ずキャンセル料の支払を拒否できるわけではありません。
もしこのような消費者トラブルに遭われた場合には、弁護士にご相談ください。

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