Q.ニュースで「法定養育費」という言葉を聞きました。養育費について法律で何か定められるということでしょうか。
「法定養育費」は、令和8年5月23日までに施行される予定の改正民法766条の3によって定められる養育費です。
養育費は、父母が協議して取り決めることが前提とされていますが、離婚の際にしっかりと話し合うのが難しかったり、また取り決めたとしても支払いがなされなかったりすることも多く(令和3年の調査によると、支払いがなされているのは全体の24%程度とされています)、大きな問題となっていました。
そこで、取り決めがなされなかったとしても、子どもの監護を主として行う父母は、他方に対して一定額の養育費を請求できるという制度が法定されました。これが「法定養育費」です。
具体的な算定方法や金額は施行の日までに公表されることになります。
法定養育費の支払い義務は離婚の日に発生し、毎月末に支払うことになります。
また終期は、
①父母がその協議により子の監護に要する費用の分担についての定めをした日
②子の監護に要する費用の分担についての審判が確定した日
③子が成年に達した日
のいずれか早い日となります。
法定養育費は「父母の扶養を受けるべき子の最低限度の生活の維持に要する標準的な費用の額その他の事情を勘案して子の数に応じて法務省令で定めるところにより算定した額」とされており、あくまで最低限度のものになりますので、それぞれの収入等を加味した、子どもの健やかな成長のために適切な金額を請求するためには、協議や調停、審判が必要になります。
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