兄弟に遺留分って無いの?

Q.私には長く連れ添った妻がいますが、子どもはいません。3つ上の兄がおりますが、折り合いが悪く、長く疎遠にしています。また、母が若くして亡くなったため、父は再婚して、15才下の異母妹がいます。まったく会ったこともなく、どこに住んでいるのかも分からない状態です。

もし、私が亡くなった場合、誰がどれくらい相続するのでしょうか? また、私は妻に全部相続させたいと思っており、遺言を書こうと思いますが、遺留分を請求されそうで心配です。私が亡くなった後に、相続争いをしてほしくないので、遺言には妻以外の相続人に少しでも相続させるように書いておいたほうが良いでしょうか?

A.もし、貴方が遺言を書かずに亡くなられた場合、奥様が3/4、お兄さんが1/6、異母妹が1/12を相続します。また、兄弟姉妹に遺留分はありません。

 法定相続分の割合は民法900条に定めがあります。

 

 貴方の場合、お子さんがおらず、配偶者と兄弟姉妹がいるので、同条3号により、奥様が3/4、兄と異母妹のグループが1/4を相続します。

 

 通常、兄弟姉妹が複数いる場合、各相続分は同じ割合となりますが(民法900条4号本文)、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の1/2となります(民法900条4号但書)。

 したがって、お兄さんの相続分は1/6(1/4×2/3)、異母妹の相続分は1/12となる訳です(1/4×1/3)。

 

 遺留分が請求できる人と、その割合については民法1024条に定めがあります。

 同条には「兄弟姉妹以外の相続人は」遺留分があるとされていますので、兄弟姉妹には遺留分はないということになります。

 

 ですので、ぜひ奥様に全て相続させる旨の遺言書を作成してください。お兄さんや異母妹には遺留分が無いので、安心して奥様に全部相続させることができますよ。